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第14回言語文化研究 勉強会 素粒子物理学の現状

Category : 物理学 , 量子力学

第14回言語文化研究・講座 勉強会 2016年2月7日

「自然の基本法則を求めて」(素粒子物理学の現状)

 

2月7日午後2時より、第14回言語文化研究 ・講座・勉強会「自然の基本法則を求めて」 (素粒子物理学の現状)が、花田義塾・言語文化研究・東越谷分室で行われた。担当講師は放送大学非常勤講師 物理・数学担当の小又 志郎先生。小又先生は東京大学・大学院・理学部物理学科・修士を卒業。専門は「超弦理論」。現在は放送大学講師として「基礎からの数学物理学演習」を担当され、自主講座として「ギリシア語初歩勉強会」「ラテン語読書会」を行っている。

 

当日の参考テキストは梶田隆章著『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』(平凡社)。梶田氏は越谷市在住で、昨年度ノーベル物理学賞を受賞された世界的な物理学者。小又先生の今回の講義は、梶田氏がノーベル物理学賞を受賞される以前、昨年夏に企画されたものである。テーマを含めて、実にタイムリーな勉強会となった。しかもこの勉強会の後「重量波の観測」という、物理学上で画期的な出来事が報じられた。私たちは、幸いにも、宇宙と物質の根源に立ち向かえる大変に意義ある時代を生きているように思える。

 

当日の勉強会では、小又先生は、物理学の基本から、現代物理学の最前線「超弦理論」へと至る考えるプロセスを、質疑応答を交えながら2時間以上にわたり、分かりやすく、想像力あふれるイメージを交えながら、楽しく講義を行って下さった。実に充実した講義で、聴講出来た参加者は幸運だった。日ごろあまり出会わない「素粒子物理学」について考えるヒントを学んだに違いない。

当日の講義内容は以下の通り。(当日のレジメから)

  • 「現状」・・・の背景について基礎的なこと
  • そもそも物理学、素粒子物理学とは
  • 基本法則・・・・物と力

∇物・・・・・素粒子

∇力・・・・・4つの力

  • 素粒子の標準理論
  • さらなる統一・・・・超弦?

 

小又先生の専門は「数理物理、超弦理論」である。「超弦理論」とは、現代物理学の最先端の理論で、現代の物理学の核心にある2つの理論、物質の極微の世界を扱う「量子力学」と宇宙の極大の世界を扱う「相対性理論」とを統合する試みとして生まれた理論の一つである。「重力」・「電磁力」・「弱い力」・「強い力」の「4つの力」を統一する理論として注目されているが、難解な理論としても有名である。 ノーベル物理学賞の受賞者で昨年死去された南部陽一論氏がその最初の発案者である。

 

さて、この日の講義は、小又先生の自己紹介に始まり、素粒子物理学とは何かという基本概念を解説され、「物」と「力」について、その核心部へと説明は進められていった。

「物」とは「分子」→「原子」→「原子核」→「核子」→「素粒子」から成り立つ。

一方、「力」とは「重力」・「電磁力」・「弱い力」・「強い力」の「4つの力」から成り立っている。「4つの力」は宇宙創成のビッグバン時には一つの力であったが、宇宙が膨張し、冷えるにしたがって「4つの力」に分かれた。この「4つの力」を統一的に理論づけることが現代物理学の最大の課題である。(21世紀の現段階で、4つの力を統一する理論として注目を集めているのが「超弦理論」である)

 

そもそも「物」とは何かという問いをめぐり、小又先生は、古代ギリシアの原子論(アトム:これ以上分けることの出来ない物という意味)、プラトンの対話篇「ティマイオス」に言及された。 そして話題は原子の内部構造へと進み、原子モデルを分かりやすい比喩を交えて解説された。

水素の原子核を東京の中心(皇居あたりか)に置くとすると、その原子核の周りを回る一つの電子の軌道は、山手線一周にあたる。この水素原子モデルの比喩は実に分かりやすい。つまり原子核とその周りを回る電子との間は、隙間だらけということになる!!  ということは私たちの体を構成している原子も隙間だらけで、毎秒、宇宙から飛んでくる何億という宇宙線が私たちを貫通しているという。ニュートリノという素粒子もそうした宇宙線のひとつ。(1987年「スーパーカミカンデ」の前身「カミオカンデ」が、世界で初めて、中性子星の爆発によって放出され、地球へ届いたニュートリノを観測している)

 

さて、小又先生の講義は、中盤小休憩をはさみ、いよいよ「原子の内部」、「原子核の内部」,「核子の内部」(クォーク)へと、より極微の世界へと向かっていく。

 

こうした究極の極微の世界を直接「見る」ことはできない。光を当てて「見る」こと自体、それは「光子」を当てることで、「素粒子」に作用を及ぼすことになるからである。つまり「素粒子」そのものは観測によっては直接「見る」事は出来ない。しかし数学的な確率として運動の軌跡を予測することは可能である。そして小又先生は、数式の説明に入った。

 

多様で見慣れない数式を用いた「シュレーディンガー方程式」「ディラック方程式」「場の量子論」の各方程式の解説は、訳が分からないながらも、想像を超えた世界の実在を、特別な記号と数値・係数を駆使して、数学的には記述することが可能であることが分かった。小さなホワイトボードに数式を自在に書いて、解説を加えていく小又先生の語りも実に楽しかった。参加者は、小又先生の講義を聴きながら、世界の根源は数式によって記述できるという驚きを体験したのではなかろうか。どうやら宇宙は数学的に出来ているようだ。

 

そもそも、「物」とは何か? 「力」とは何か?「宇宙」とは何か? そう問いかけている「人間」(主観)の存在とは何か? 世界は、解けない謎(アポリア)に満ちている。

そうした根源的な問いを考えるには、人間の一生という時間はあまりにも短い。それにもかかわらず、人間は宇宙の発生や、その消滅、存在の意味を問わずにはいられない存在者である。

物理学は、世界の究極の物質の存在とその時空を解明している。人間の思考は、果たして、どこまで宇宙の成り立ちと物質の根源に迫れるのだろうか? 小又先生の今回の「講義」はこうした問いかけに、多くの考えるヒントを与えてくれたように思う。

予定の時間を超える「講義」だったが、時間の立つのも忘れるほどに楽しい講義だった。素粒子物理学の素人の参加者を相手に、イメージ豊かに懇切丁寧に「物理学の最先端」を講義してくださった小又先生に心から感謝します。本当に有難うございました。そして当日、遠くから講義に参加された放送大学、及び慶應義塾大学関係の受講者の皆様にも深く感謝します。

講義と歓談を終えて越谷駅まで見送る途中、「素数の謎」「角谷予想」など数学の話をしながら、ぜひまた第2回目の講義をお願いしいたい旨をお伝えした。

 

 

花田義塾 佐藤祐輔


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第14回講座 素粒子物理学の現状

2月7日東越谷分室で、第14回 言語文化研究会 講座「素粒子物理学の現状」を行った。

担当は放送大学講師、小又志郎先生。東京大学・大学院・物理学科修士卒。

現代物理学の素粒子理論、量子力学を研究し、相対性理論と量子力学を統一する「超弦理論」が専門である。

物理学の基本から、現代の物理学理論を分かりやすく、丁寧に解説された。テキストは、

越谷在住のノーベル物理学賞受賞の物理学者・梶田隆章氏の『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』。

質疑応答をしながらの講義は実に面白く、難しい数式の意味を解りやすく解説し、高校生の参加者にも理解できるように語ってくださった。話の内容が楽しく、気が付いたら予定の時間を大幅に超えていた。つまり時間のたつのも忘れるほどの充実した勉強会となった。小又先生ありがとうございました。

参加者は、高校生、大学生、一般の方を含め、定員ぎりぎり一杯の14名。花田義塾では小学3年生から「素数」「素因数分解」「角谷予想」の数学演算を行っていることを話すと、「それは実に素晴らしいことです。私もそのやり方に賛成です」という賛同言葉を頂いた。次回は、ぜひ「数学の世界」を中学生にも分かる言葉で「勉強会」を依頼したいと思う。